オーストリア3番目の都市「リンツ」毎年9月頃に開かれる「アルスエレクトロニカ・フェスティバル」は1979年から続く世界最大のメディアアートの祭典。リンツは産業革命以降工業都市として栄え、その後公害問題が深刻化し産業が衰退。街を復活させる取り組みのひとつとして「街の文化度を上げよう」と試みた。
そのなかで、スタートしたのが「アルスエレクトロニカ」。今では観客動員数は8万5千人とも言われ、世界中から人々が訪れる。
かつて造船で栄えたフランスの街ナント。造船産業が斜陽になり寂れていた街が、アート集団『ラ・マシン』の拠点となる公園をつくることで、ヨーロッパ有数の観光スポットとなった。
リンツやナントのように、アートによって街が輝きだした例は、世界中に数多くある。
※日本では直島(香川県)が有名ですね。
タイ最北の街・チェンライ(小さな田舎町です。先日洞窟に閉じ込められた子供たちの救出劇でちょっと有名になりましたね。)
街の郊外、南部に位置する真っ白な仏教寺院「ワット・ロンクン(白い寺)」
地元出身のアーティストによるデザイン。
タイの伝統的な芸術・文化を取り入れつつ、アーチストの個性で攻めに攻めたデザインは、斬新で強烈なパワーを感じます。
ちょっとグロテスクだったり華美な装飾だったり独特の世界観がすごい!
1997年から建てられている寺院で、現在も仏塔やらオブジェなど次々と建設中。(タイのサグラダファミリアか?)
近年チェンライを代表する観光地として大変人気で海外から訪れる人もとても多い。
この寺の出現によって街は観光でかなり潤っていると思われる。
もう一つ、街の郊外、北部の寂れた村に「バーンダム・ミュージアム(黒い家)」というのがある。
白い寺創設者の師匠が長年制作し続けていたミュージアム。
タイ北部ラーンナー様式の高床式の黒い家屋が40軒ほどあり、中には彼のちょっとかわった作品が多数・・・
ここも(白に対して黒として)旅行案内などに紹介されている。
そしてなんと!この度「ワット・ロンスアテン(青い寺)」というのが出来ていた。
市街から少し北に離れたところ 2016年1月建立。こちらは白い寺創設者の弟子によって建築されたそう。
ビックリするくらい青!青!青!です。中のご本尊に青い照明まであてている。
そしてもうこれは仏教と関係ないのでは??という域に達しているようなオブジェまで。(ガンダーラ仏のように西洋と東洋の融合と言えなくもない)
コチラも続々増殖中。(まだ旅行案内にはあまり紹介されていません。)
そして、そして、実はもう一つ・・・郊外東部に宿泊した時のこと。
通りがかりの何の変哲もない家並みの中、普通の村のお寺が今まさに「赤い寺」に生まれ変わろうとしているところを偶然発見!!
多分、いや、かなりの確率で間違いない!
まずは門をデコラティブに装飾し、赤いペンキを塗り、奥の方では赤いオブジェを製作中・・・。
※この時はまだ「青い寺」の存在を知らなかったので 「なんで赤く塗ってるのかな??」という軽い興味でした。だから写真もしっかり撮ってない・・・。
白と黒、青に赤、たぶん、、、黄色と緑も時間の問題。○○レンジャーか!!
アートで街を~というよりは「インスタ映え」が切り口かもしれない。
行政の計画か、儲かりそうなので便乗しているだけなのか??そこらへんは不明だが
ディズニーランドがなくても、世界遺産がなくても観光地は創れる。
そんなことを学ばせていただきました。 恐るべし、タイ。
遺跡であろうと最新のデザインであろうとタイの人々にとって“現在進行形の信仰の対象である”というところが素敵だ。
「ワット・ロンクン(白い寺)」:チャルーンチャイ・コーシピパット氏作
「バーンダム・ミュージアム(黒い家)」:タワン・ダッチャニー氏作
「ワット・ロンスアテン(青い寺)」:スラーノック(プッター・ガープケオ)氏作