「雪山を続けるなら、形見にあげる」。
年長の岳友から、40年愛用されたウッドピッケルをいただきました。
それはかつて、世界のトップアルピニストが求めたウィリッシュの名品。
工房はマッターホンの玄関、ツェルマットに近いタッシュ村にありました(まだある?)。
ピックに打たれた刻銘からは、2代目と3代目の合作であることが読み取れます。
日本刀と同じく、一点ごとに鍛造でつくられており、振ってみると重量配分が絶妙で、実際よりも軽く感じます。
並べて撮ったメタルピッケル(ヘッド部打ち抜き)はがんがん使えるけれど、この風格にはとうていかないません。
僕たちがお届けするコミュニケーション・デザインも“アルチスト”であるより、
人々の暮らしや憧れに寄り添った“アルチザン”でありたいと思います。